2012-01-06

内視鏡による上部消化管の検査

規模の大きな民間の病院や大学病院の消化器内科では、消化器の病気だけでなく、糖尿病、総合内科診療にも重点を置いた幅広い診療を目指しているところが多くあります。最近では経鼻内視鏡を積極的に導入し、患者の負担を軽くした検査に主眼を置くところが増えてきました。

内視鏡では食道や胃、十二指腸などの上部消化管、あるいは大腸、小腸などの下部消化管の検査を行いますが、上部消化管の検査のうち、多いところでは8割近くを経鼻内視鏡を利用している病院もあります。鼻からスコープを通して検査を行う利点は、苦痛が少ない、鎮静剤が不要、検査中に会話が可能、などが挙げられます。

鼻腔に麻酔薬を注入するだけで検査ができるので、終了後30分程度で帰宅ができます。経口に比べて経鼻であれば、患者さんの心臓へのストレスも少なく、血圧が上昇したり、脈拍が乱れたりするのを防ぐことも可能です。

検査だけでなく、治療も可能です。いや十二指腸、食道に起きた潰瘍などによる軽度の出血は、内視鏡の挿入管に注射針を通し、薬剤を通すだけで簡単な緊急止血治療ができるようになっています。胃ろうにも活用できます。口から栄養摂取が困難な場合、腹部に穴を空けて胃に直接栄養を送り込む胃ろうを増設しますが、その手術時、内視鏡により胃の中を観察し、的確な造設を可能にしています。

消化管のがんの早期発見のために、経鼻内視鏡は力を発揮すると期待されています。がんの発見が早ければ、その分、治る可能性は高まります。苦痛の少ない経鼻内視鏡により、定期的な検査を行う患者さんが増えれば、早期にがんを発見し、治療・根治できるケースもそれだけ増えてきます。